作問部

再掲(一部改題)

とある人間の部屋に、天使と悪魔と死神と幽霊がやってきました。


そのうちの1人だけは体が透けているので幽霊だと分かるのですが、他の3人は普通の人と区別のつかない格好だったので、人間は誰が何なのか知ろうとして尋ねました。


彼らを仮にA,B,C,Dと呼ぶことにすると、4人の返事はこうでした。


A「Bは悪魔ではない」
B「Cは幽霊ですよ」
C「Aは死神ではないのである」
D「Cは天使なんだよ」


天使と悪魔は人間界の正邪のバランスを崩さないように、片方が嘘をついているときにはもう片方は本当のことを言い、片方が本当のことを言っているときにはもう片方は嘘をつきます。


このことを知っていた人間は、無事この4人がそれぞれ何なのか知ることができました。




さて、天使、悪魔、死神、幽霊はそれぞれA,B,C,Dのうちの誰でしょう?

1年以上前にちょろっと作って公開したこの問題、最近になって実は論理パズルとして結構な良問なんじゃないかと思えるようになってきた。主な理由は以下。


・巷にあふれる「登場人物のセリフをあなたが直接聞く」という構造とは異なり、間に人間をかませることによって一段階複雑化。
・真偽判定を主軸とした大半の問題とは違い、TFの判断はどちらかというとサブ。
・てなわけで、ありがちなABCD×天悪死幽の16マスから成る表とか作っても手間のわりにほとんど効果がない。
・つまるところ、アンチステレオタイプ
・で、まあ幽霊で場合分けするわけだが、ちょっと思いつくと?=幽の場合と?=幽の場合は即除外可能。
・一見一番条件が少なそうに見える?=幽の場合にのみ綺麗に決まる。
知識があれば答えの予測がつくので上述の理由により、答えを出すまでにかかる時間には結構差異があるので、作品への造詣論理パズル力を測ることが可能。
・ただし、解くのに発想力は一切必要としないので、誰でもいつかは解にたどり着くことが可能。
・とか思ってたんだが、なんか意外と解けない人多い。それなりの入試問題をくぐり抜けてきたはずの方々がぼろぼろと間違える。
・そんなわけで、そもそもこれが解けるかどうかで学問やっていくうえで最低限必要な論理パズラーとして必須の論理力を測れるのではないか、と密かに思っている。
・まあサンプル数は8程度だけど。


なお、誤答の大半は、セリフと矛盾のない人種&真偽の組み合わせを1つ見つけただけでそれを答えにしてしまうパターン。まあ予想通りといえば予想通りでもある。

ちなみに

自分が彼の作品を称賛する理由の半分くらいは、氏の作品を元にして作った問題はほぼ例外なく良問になるからにあるような気がしてならない。




以上、自画自賛でした。