現代日本の本格推理小説(商業作品)における「隠れた名作」



知人と話していて、↑ってなんだろう、という話題になったときの雑談の流れの適当な要約です。


たとえ新人やマイナー作家が名作ミステリを書いたとしても、「ミステリ通の誰かが読む → 口コミでミステリ通の間で広まる → このミスなどのランキング企画で上位に → 一般のミステリ読みも読む → 流行る」という流れで、容易に広まってしまう。そうそう隠れていてくれない。


この流れを切るためには、最初のステップ、「ミステリ通の誰かが読む」という条件をみたさないようにするしかなさそうだ。つまり、たとえばライトノベルなどの受け皿の広いジャンルにおいて、本格推理という名目で出版されていない本格推理小説ならば、十分に隠れた名作になりうる。


とはいえ、そもそも「名作」というのは数が少ないからこそ名作なのであり、そうそう面白い本格推理小説が存在しているとは思えない。そもそも、非ミステリに本格推理の条件をみたしている作品はあまり多くない。たとえ幅広いジャンルをこなす作家でも、本格推理のすごいアイデアを思いついたらふつうミステリの土俵で発表する。というか、たとえラノベレーベルからミステリが発表されたとしても、名作ならばまあたぶん流行る。下手すると珍しくて逆に目立つ。これまた隠れていてくれない。


……と、このように、条件をみたす具体的な作品名が1つも思い浮かばないなか、一般論もどんどん絶望的な結論に近づいていく。


だがしかし、このあたりで手詰まりかと思われたそのとき、ある人物のちょっとした発言が天啓となり、死中に活路が拓かれた。


そして至った結論が、↓コレ。








本日のMV発言:
「漫画のノベライズって、そもそも小説の1ジャンルとしてものすごくマイナーじゃねえ?」