シュレディンガーの



傍で聞いていて「鬼才あらわる!」と思った発言の要約メモ↓


ん? 「シュレディンガーの猫」の話は何が言いたいのかよく分からない?
そうだな……。だったら、こういう例えはどうだ? よーく聞けよ。
仮にお前が、売れっ子の漫画家だとするぞ。うん、そう、漫画家だ。
お前が今連載している漫画には、敵キャラが出てくるんだ。それも、かなりの美形で、結構おいしいポジションにいる、キャラ立ちした敵な。
その敵キャラは、展開の都合上、どうしても主人公サイドに敗北しなければならない。
そこでお前は、主人公の新必殺技をくらったその敵キャラを、「崖から落とした」。当然、死体の描写は無しでだ。
なんと、この状態の敵キャラこそが、「シュレディンガーの猫」なんだよ。
崖から落ちた敵キャラは、「実は生きていた」という展開にも、「普通に死んでいた」という展開にも、どちらにもなり得るよな。
……勘違いするなよ? これは、「生きているか死んでいるか分からない状態」じゃない。お前は作者なんだから、「分からない」んじゃなくて、まだ「決めてない」だけだよな? つまりこれが、「生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている状態」なんだよ。
そして、敵キャラの生死は、漫画家であるお前が、読者からのアンケート結果を「観測することによって決定される」。お前がアンケートを観測してはじめて、その敵キャラが「生きている」か「死んでいる」か、どちらの状態なのかが決定されるんだ。
……もう分かっただろ? これこそが、シュレディンガーが言いたかったことなんだよ。