幕間



「読んでいる途中で結末が予測できてしまう」


この表現、確かに「凡庸な展開に何のヒネリもない結末」な作品に対して使うとマイナスの評価を意味するのだが、結末の意外性が一定レベルを超えると、


(1) 対象がどう考えても実現不可能そうな出来事になればなるほど、それを可能にする穴が狭められていき、結末を予測しやすくなる。
(2) 本筋に関係ない余計な表現・要素がなくなって洗練されていけばいくほど、残った表現・要素から結末を予測しやすくなる。


ってな事情により、むしろプラス評価を表す表現なのではなかろうかこれ。
というか、こと本格推理においてはこの条件を満たさないと逆にアウトだし。




(2) の具体例として適切そうな作品は、「容疑者Xの献身」あたりか。無駄な表現がほとんどない中で異常に浮いている(伏せ字)ホームレス
の描写のせいで結末バレバレなんだけど、東野圭吾屈指の名作。そもそも人間(以下延々と続くので割愛)