2010年度上半期 ライトノベル感想 3/6


羽月莉音の帝国 (赤枠おすすめ)

羽月莉音の帝国 5 (ガガガ文庫)

羽月莉音の帝国 5 (ガガガ文庫)

既刊5巻。
雷撃ガール in ライトノベル


・巻き込まれ型主人公。ここ一番での演説力・説得力に長ける。ラノベではよくある性能)
・唯我独尊系ヒロイン。基本的に万能。ラノベではよくある性能)
・幼馴染1。全国区レベルの美少女。ラノベではよくある性能)
・幼馴染2。雑学王。大言壮語吐き。ラノベではよくある性能)
・天然な天才。IMOで単独満点経験あり。ラノベではよくある性能)


主要登場人物は、以上5人の高校生。
どれもライトノベルだと珍しくもない程度の能力だけど、もしこいつらが現実世界に存在したとしたら、世界の1つや2つ容易に征服できるんじゃね? という話。
例の、どこでもドア1つあれば世界くらい掌握できますよね? な発想に通ずる所もある気がします。


ほぼ2ヶ月に1冊のペースで新作が出続けているシリーズ、という意味でも貴重な作品。

サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ

既刊1巻。
例の映画の、スピンオフ小説。


映画公開の前後に発売されたノベライズ版では、


・主人公が“解いた”あの2056桁の数字は疑似乱数である
・主人公は、日本数学オリンピックで「次の問題を解けば日本代表になれる」状況まで行きながら、最後の最後で集中力を欠き、ケアレスミスを犯して代表を逃した。
・主人公「(惑星探査機の落下まで残り2時間もあるなんて、)数学オリンピックで経験したシビアなタイム制限に比べたら――永遠に近い時間だ」


等々、驚愕の事実がいろいろと明らかになりました。


で、今回のスピンオフでは、8月に数学オリンピック日本代表を逃して落ち込んでいた主人公が、数学オリンピック参加を決意したのが、なんと同年の5月であることが判明。


あちらの世界の数学オリンピックは、我々の知っているものより遥かにエクストリームなようです。

鳳凰堂みりあは働かない!

鳳凰堂みりあは働かない!3 (MF文庫J)

鳳凰堂みりあは働かない!3 (MF文庫J)

既刊3巻。
物体としてのニート


高校生たちが、ニートを目指して全力で頑張るおはなし。


そりゃあ働かないでも大きな迷惑をかけずに健康的な生活を営めるならそれに越したことはないわけで、「立派なニートになるために今のうちに頑張る」という生き方自体は、実現可能性さえ脇に置けば、ごくごく健全な発想だと思うのですがどうでしょうか。


……といった問題提起とは一切関係がない、というか現実世界の“ニート”ともほとんど関係のない、相変わらず石川ユウヤ節全開の一作。